増税反対派のエゴイズム、利他主義の奨め
金融所得増税や住宅ローン減税の見直しに反対している人々は、しばしば「頑張って税について調べた、投資について勉強した。それをなんだ!」と憤ってみせる。無知であるのはかわいいが、やはり愚かである。
それらの態度は、私は私たちのために頑張ったから、他人より恵まれるべきだという考えから生じている。努力したものが報われる世界、それは望ましいが、世の中の仕組みは、今回の例で言えば金融所得や住宅ローン減税の仕組みは、既にそうなっていないことを踏まえねばならない。
あなた方が批判しているとと思い込んでいる、努力したものが報われない仕組みを助長するのがーー金持ちがより儲けたり、益税に繋がっていたりするのがーーそれらの改善すべき事柄であるのだ。
そもそも、私は私たちのために頑張ったから報われるべきだ、という考えは、他人の苦しみには全く目を向けていないエゴイスティックなものである。わたしはわたしとは異なる人々のためにも頑張ったと、そういえる時はじめてその努力は報われるべきものとなるのだ。
私と私の回りの人たちのために努力し、他人の苦しみは黙殺する。そんなエゴイズムから脱し、利他主義につくことを奨めたい。